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【B型肝炎訴訟】 カルテを永久保存に!~B型肝炎訴訟と医師法~

~弁護士 北村明美のB型肝炎ブログ~

 

カルテの保存期間は、医師法によりわずか5年と定められています。*1
そのため、中には5年でカルテを廃棄してしまっている病院もありますが、これは違法ではないのです。
しかし、カルテが残っていないばかりに、苦しむことになることがあります。

B型肝炎給付金請求訴訟がそのひとつです。B型肝炎給付金請求訴訟では、感染の原因が予防接種であることを証明するため、母子感染ではないことを立証しなければなりません。
既に母親が亡くなっており、年上の兄弟がいない場合、母親の生前のカルテが残っていればどんなにかありがたいことでしょう。母親がB型肝炎ではなかったということが証明できることもあるからです。
しかし、母親が亡くなってから年月が経っていると、カルテが破棄されてしまっていることがほとんどです。

先日ご相談にいらっしゃった甲さん(仮名)は、お母様が17年前に亡くなっており、上のご兄姉もいませんでした。
甲さんはB型肝炎給付金請求訴訟のことを知ってすぐ、病院にお母様の生前のカルテの有無を確認しました。すると、死亡前3ヶ月間のカルテのみ残っており、そのカルテには「HBsAg(-)」の血液検査結果が貼ってありました。検査が行われたのは、お母様が78歳の時です。
B型肝炎給付金請求訴訟では、母親が死亡している場合、母親が80歳未満の時点のHBs抗原陰性の検査結果のみで、母子感染ではないと認めてもらえます。つまり、このカルテによって、甲さんは母子感染ではないということを証明することができたのです。
もしカルテが全く残っていなかったら、多分甲さんは給付金を貰えなかったのではないかと思います。

カルテはだいぶ前から電子化され、非常にコンパクトになりました。大量に保存が可能になったので、カルテの永久保存も決して不可能ではないはずです。
今回はB型肝炎給付金請求訴訟を例に出しましたが、カルテの永久保存は、他の多くの方にとっても役立つでしょう。ぜひカルテを永久保存にするよう医師法を改正してください。

 

*1 医師法第24条(平成二六年六月一三日法律第六九号)

第24条 医師は、診療をしたときは、遅滞なく診療に関する事項を診療録に記載しなければならない。
2 前項の診療録であつて、病院又は診療所に勤務する医師のした診療に関するものは、その病院又は診療所の管理者において、その他の診療に関するものは、その医師において、5年間これを保存しなければならない。

 

 

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北村法律事務所 弁護士 北村明美
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